細やかな気配りが心地よい空間 – JAZZ喫茶「DEAR LORD(ディア・ロード)」

ジャズ喫茶

大阪には放出(はなてん)という少し読みにくい地名がある。そんな聞き慣れないJR放出駅でつい途中下車してしまう常連さんが続出するお店がここ、JAZZ喫茶「DEAR LORD(ディア・ロード)」だ。

駅から北口に降り立ち、たこ焼き屋とケーキ屋の向いにあるビルを見上げると大きな『JAZZ』の4文字。この雑居ビルの階段を4階まで登っていくのはちょっとしたいい運動である。


ドアから漏れ聞こえる音楽に誘われ1つ、2つとドアを開ける。そこには12席のこじんまりした空間と、JBLの中型オーディオ、腰の低いママさんがお出迎えだ。

まるで学校の教室のように全ての席がオーディオと対面するよう1席ずつ配列されている。目を閉じて音楽に身を任せ、多少居眠りしてしまってもバレないくらい背面が高い席もある。


もちろんカフェで友人とおしゃべりしたい、という人には向かない。一人で出かけた際にぜひ行ってみて欲しい。

メニューはコーヒーはもちろん、小腹を満たしてくれるトースト、駅前のケーキ屋のケーキもここで食べられる。筆者のおすすめは、やはり大阪のどろどろとしたミックスジュース。これをちびちびと飲みながらJAZZの名盤に耳を傾けるひとときがたまらない。


実はママさんに好きな楽器の話をしてから、筆者が訪れるたびに必ずその楽器が出てくるレコードを選んで再生してくれていることを知っている。そんな細やかな気配りが この心地よい空間を作り上げているのだろう。

DEAR LORDは2023年に12周年を迎える。月に数回、生演奏のジャズライブや同好会も開催され、盛り上がりを見せている。ジャズを愛するママさんの念願であるこの店は、これからも絶えず放出という地でJAZZの魅力を放ち続けるだろう。


基本情報
・店名:DEAR LORD
・住所:大阪府大阪市鶴見区放出東3丁目20-21  4階
・ホームページ:https://tomtom.p-kit.com/page188549.html

iori

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珈琲とジャズを愛するWEBクリエイター。聴くだけでなく演奏もできる実力派。

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